いよいよ田植えも近づき田んぼも植えられる状態に仕上げていきます。
ここ神吉は標高350メートルの盆地で夏はとても涼しくクーラーはつけたことがありませんが秋が少し早くきます。春が遅く秋が早いということは稲の栽培期間も短くなります。稲作や路地野菜などは温度管理ができませんので種を蒔く時期や苗を植え付けるタイミングがとても重要です。
そんな神吉での稲作の場合は田植えが6月にかかってくるとどんどん収穫量が減ってしまいます。それを避けるために5月の1ヶ月間で耕耘、代掻き、田植えといっきにこなしていきます。花屋さんでいう母の日、スキー場の12月、野球部の夏みたいなものでしょうか。
今回は本代掻きについてですが、作業内容は前回の荒代掻きとほとんど変わりません。
が、このタイミングと耕し加減が除草剤を使わないお米作りで一番重要と言っても過言ではありません。細かいことはさておき水を張っても抜けなくて、苗を植えても倒れないちょうどいい具合に仕上がるようにトラクターを調節してさーっと仕上げます。田んぼ1枚1枚状況が違いますので、その都度微調整します。
一般的な代掻きは遠くから見るとトラクターが進んでいるのか止まっているのかわからないくらい速度が遅く、入念に土を掻き混ぜています。これだと数日後にはヒエやコナギといった雑草が田んぼ一面に生えてきます。そして除草剤を投入します。
この流れを変えるための一工夫が代掻きのやり方を少し変える方法です。しかしながら一般的なプロの農家になるほどこれは不自然に見えるらしく批判されることもありますが、気にせず爆走しています。
完全に雑草を抑えるには年月を重ねる必要がありますが、そんな夢の田んぼを見たことがあります。また別の機会にこの夢の田んぼ作り上げた方を紹介したいと思います。
そして以前紹介した2cmだった苗は現在17、8cm。土が落ち着くまであと数日待ってから田植えをしますのでだいたいちょうどいい長さに成長しています。
今年も順調に田植えを終えたいところですが、去年は機械の不調で半日つぶれてしまいました。土や砂埃の中で長時間頑張ってくれる機械にはこまめなメンテナンスが欠かせません。トラブルを起こした時にすぐに対応できるように基本的な機械の知識を学んでおくのも百姓の仕事の1つです。
機械のメーカーは大きな会社で4,5社ありますが、僕は縁あって今のところヤンマーというメーカーの機械を愛用しています。特にこだわりは無いのですが、小さい頃やんぼーまーぼー天気予報というのがあって今でもその歌が離れません。。まさかこの歳になってヤンマーさんにお世話になるとは少年は考えもしませんでした。今はもう天気予報もやっていないみたいですが、そんな30代のノスタルジーをひそかに楽しんでいます。
次回はいよいよ田植えを紹介したいと思います。