鳥は知っている


前回は苗作りについて簡単に紹介しました。

今回から苗の管理をしながら、田んぼに苗を植えられる状態にしていく過程を数回で紹介したいと思います。

いわゆる”耕耘(こううん)”と言う作業で土を耕すことです。水稲栽培では田植え前、田んぼ1枚につき3回この作業をします。これは栽培する人によって回数も時期も違います。田んぼによって条件や環境も違いますし栽培方法によっても変わってきます。

自分の栽培スタイルや天候、田んぼの条件を考え1番いいタイミングを判断します。

1番いいタイミングは田植えから逆算して1回目の耕耘の時に土がすっきりと乾いていることです。田んぼがしっかり乾いているこで土の中の微生物がよりやる気を出してくれるのです。そして田んぼに水を入れ土が湿ることでせっせと土の中の有機物を分解し稲が吸収できる無機状態の窒素を作ってくれます。

有機農業は有機質の肥料を畑や田んぼに入れますが、これが直接植物に吸収されるのでは無く、微生物が働き分解することでより細かな無機質の肥料分となって植物が取り込める状態になります。

肥料を使わない栽培は前年収穫した稲わらと春に生えてくる雑草をすき込むだけですので、この微生物が活発に活動できる環境づくりはとても重要です。

農業は作物を育てるのですが、それより前に畑の中で微生物を育てるというイメージを大切にしています。

 

そして先日トラクターで耕耘しました。冒頭の写真の右が耕耘前、左が耕耘後。土が掘り起こされて雑草や去年の稲わらが混ざり合わさっています。僕はあまり土を粉々にしたくないので機械を調整してコロコロとした土になるようにしています。

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耕耘作業をしていると、色々な鳥が集まってきます。掘り返された土の中の虫を食べに来るのです。小さい鳥なんかは遠慮がちで隅の方にいますが、カラスは堂々としています。ずっと虫を探しながらトラクターのあとをついてきます。

しかし動物たちはよく知っています。そこに獲物があることを。

 

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次回は2回目の耕耘、いわゆる代掻き(しろかき)について紹介したいと思います。

 

  次の記事>>水を入れる瞬間


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