木漏れ日にて


春の風が花や木々、土の香りを含ませ肩もとをすり抜けて後ろ髪をそよそよとなびかせます。穏やかな新しい予感を運んでくれるようなこの季節の風の香りが好きです。2cmの後ろ髪はたいしてなびかないのですが、ロングヘアーの女性がそんなシチュエーションだったら綺麗だろうという妄想です。

今回は毎年庭先に咲いてくれる五月梅(サツキバイ)が美人なので、これを使って大きめのアレンジメントにチャレンジしてみたいと思います。

五月梅の他にも枝物や花を合わせて20種類くらいの花材を集めました。特に今をときめく芍薬は大きなアレンジメントで存在感を放ちます。基本的にこの地域のこの瞬間に咲いている花や枝ものを使うので、季節の花材を使うという個人的なシャンペトルスタイルの定義に当てはまります。

 

 

                                                                                         

 

早速大きめの花瓶にバランスをとりながら適当に枝ものを投げ入れてベースを作ります。全ての枝物を入れずに途中や最後にも使えるように少し残しておきます。

 

 

次に芍薬やダリアなど大きめの花をこれまた適当に入れます。ここでの”適当”はあまり考えすぎないようにという感覚です。

きっちりいけてしまうと雰囲気を損ねてしまう時があるのでやはりここでも風を感じられるようにするために自分の意識を調節します。いつやめてもいいように常にバランスだけは考えるようにしています。

ベースの少し野暮ったそうな枝物も隠れてきましたが奥の方で他の花をとめるという役目を果たしてくれています。

 

さらに残しておいた枝物も使いながら仕上げていきます。

花材がたくさんあるアレンジメントはやめどきがとても難しくまだまだ入れることはできるのですが、完成されすぎても不自然になってしまうことがあります。今回はこの辺りがやめどきでしょうか。

10年以上前に近所のおじいさんが自ら編まれたというかごに花瓶ごとほり込んで出来上がりです。かごはもはや一人ではまっすぐに立っていられないくらいへしゃげていますがそれもまたいい感じです。

芍薬など華やかさを持った花は少し奥めにおいて控えめに、花の先が細めで繊細なものや新芽が初々しい枝物は前目に伸びやかに入れるとそれぞれがある種の輝きを放てるような気がします。


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