枯れても


冬の入り口に来ると植物は朽ち果て色々な様子で種をつけます。普段食べているお米もその性質を利用して稲の種子を食べています。

今回はそんな朽ちた植物を使った冬の花の仕事の1つクリスマスリースを作ってみたいと思います。

個人的にリース作りはそんなに好きではなかったのですが、仕事柄どうしても避けては通れなかったのでいつも作品と格闘していました。そもそも「クリスマスとは」とか、「そんなハイカラなもの」とかなど考えてしまい雑念にかられうまくいきません。

”おもひでぽろぽろ”の分数の割り算で引っかかる感じでしょうか。とにかく心を落ち着け、ニュートラルな状態を心がけています。

 

今回作るリースは大阪府箕面市にあるダンケという喫茶店に飾るもので毎年注文をいただいています。

まず材料を用意するのですが、僕が花に用いているのはシャンペトルスタイルというもので音楽にもジャズやロックという分類があるように花のアレンジにも違ったスタイルがあります。

パリスタイルやドイツスタイル、オランダスタイルが日本では多用されますが、圧倒的にパリスタイルが好みで、その中でもシャンペトルスタイルに重点を置いていつもアレンジしています。

シャンペトルとは”田舎風な”という意味で、留学中パリのフローリスト、カール・フシュさんの仕事を手伝って見出したものすごく個人的なシャンペトルスタイルの定義を説明したいと思います。

その要素として自分の育てた花や野草、路地の雑草などを2種類以上使うことと、作品に”風”を感じられることとしています。

 

そのようなことで今回花物は使わないので全て田んぼの畔や畑の周りなどでとった植物を使いました。それをどこにどんなふうに使うかを整理するために一通り並べてみます。

土台に使うつる植物などを合わせると20種類くらいになりました。枯れたつる植物をくるくると巻きながらポイントで実物や少し緑の残ったシダなどを加えていきます。

 

 

 

仕上げるとこのような感じになります。いったんこのくらいで止めてお店に実際飾ってから微調整します。

 

 

 

 

実際お店にセッティングするとこのような感じになりました。リースはとても難しいのですが少し立体的にすることで空間ができて空気が通るようになります。

そこには風が吹いていて田舎の爽やかさや冬の田畑の寂しさなどを感じられたらと思います。

                                                        

 

こちらのお店のコーヒーはとても特殊な焙煎をされていてお気に入りのお店です。機会があればぜひ立ち寄ってみてください。


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